ROCK CD & DVD BUYER'S GUIDE III

一応、風景写真がメインです

Michael Jackson In "THIS IS IT"(2)

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(21:24)上映前。とっくに完売状態。

MJの体重は当時激減していたというが、一般のアメリカ人の中年男性とは程遠い彼のスリムな体型は本当にダンスをしていても映える。
彼の長いリーチと足が彼のパフォーマンスに更に表現力をもたせているのは昔から感じていたが、先日スマスマでやってたMJ特集で中居がアメリカで展示されているマイケルの手袋をみて思わず驚いていたのが彼の手の大きさだ。
MJの身長は確か180ほどあったはずなので小柄ではないんだが、その手袋の大きさから掌も大きいほうだったのかもしれない。それは更に表現力を持たせることにもつながろう。
彼のダンスは努力の賜物も大きいだろうが、やはりこれら天性的なものも味方している。


この映画では周りの若い一流どころのダンサーに混じっても全く遜色のないMJのキレのある踊りのみならず、彼の声には改めて仰天させられた。

またもスマスマのMJ特集で(正直、この番組を一部始終観るのははじめてw)、その時、ライオネル・リッチーが語ってた中で興味深いのは、彼の普段のあの女性的なやさしい話し方は「わざと作り上げたもの」ということだ。喉に負担をかけない発声方法を彼なりにみつけたのがあのしゃべり方ということで、彼のプロ意識に改めて驚かされた。

そのプロ意識は業界の一線から退いた後も続いていたのだろうか?
リハでも「ボーカル部分では大半がCD音源を使うだけで、メインは単に踊りやライティング、サウンドの調整だけ」と思っていたのだが、それが違っていた。

彼のコンサートでの口パクは全く批判するつもりはない。
バラードなど一部の曲では彼はきちんと歌っているが、「JAM」などをはじめ激しい踊りの曲連発のあのステージでは唄いながら踊れってのは無理というもの。

行う予定だった実際のコンサートではこれまでのように口パクをするつもりだったのかは知らないが、このリハの映像では彼の肉声がオンパレードで聴ける。これが非常に貴重ともいえ、その未だ衰えてなかった歌声に驚愕させられた。

リハでは喉に負担をあまりかけたくないMJがサウンドに乗ってしまってフル状態で唄ってしまい、「あまり本気にさせないで。準備段階なんだから」と茶目っ気たっぷりに苦言するシーンが面白かった。


そのようなシーンをはじめ、更にこの映画で改めて確認させられるのは「MJの人格」だろう。
彼はこのコンサートの「座長」であり彼なしではなにも始まらないわけだが、それに驕るわけでなく故・藤山寛美(※松竹新喜劇・座長)みたいにリハで他の役者をどなり散らすこともないw
「そんなイヤなとこはカットしてるんでは?」というヤツもいるかも知らんが、ワタシはそうは思わん。

印象的なシーンは彼がリハで歌おうと何度もするのにすぐに声が小さくなり全然歌えない場面だ。
インカムから聴こえるサウンドがでか過ぎて自分の声がチェックできないとMJはステージ上で苦言を呈す。
「こういうのは慣れてないんだ。いつも生で自分の声を聴いてきたんだ」とスタッフにいう。
そういった後、彼は尽かさず「僕は怒ってるんじゃないよ。愛しているよ」と付け加える。

本当に彼は気遣いの人なんだろう。あまりに繊細ゆえに彼はマスコミなど心無いものに傷つけられ、病に陥ったのは容易に想像できる。


映画の終わり、スタッフロールが流れ出しても誰も観客は席を立たない。
彼の歌声がバックで流れているので立てるはずもない。

スタッフロールが流れ終わってもこの映画には最後のワンカットを持ってきた。
リハ中にマイケルがブレイクを入れるシーンだ。このシーンがかっこよすぎてまたも鳥肌が立った。
素晴らしい編集をしてくれたオルテガ監督にもホンマ感謝したい。

23時50分、映画が終わると老若男女、多岐にわたる観客から拍手が自然と沸き起こった。
「マイケル!!」という絶叫する若い女性グループすらいた。
拍手は暫く続いた。
あんま映画館に足を運ばないのでよくわからんが、地方の映画館でこんな光景、あんまりないのではなかろうか?


映画の中であるコンサートメンバーが「現代の最高のエンターティナーと仕事ができて光栄」みたいなことを語っていたが、ワタシ個人はちょっと認識が違う。
この映画をみて改めて「MJは人類史上最高のエンターティナー」と思った。

おわり

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パンフレットやその他グッズは殆ど売り切れ。
たかだかリハの映画でこれだけの興行を行えるのは後にも先にもMJしかいないのでは?

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(0:00)西宮ガーデンズにて。