ROCK CD & DVD BUYER'S GUIDE III

一応、風景写真がメインです

[歌詞・和訳]Pink Floyd - On The Turning Away(現実との差異)

 
現実との差異
 
 
目を背けていることについて
弱く、そして抑圧された人々に対して
そして彼らが放つ言葉
それは我々が理解できないだろうものだ
"何が起きているのかを認めるな
それは所詮他者の苦しみに過ぎない
もしくはおまえも加わっていることに気づくであろう
それらに目を背けていることに"
 
それは何かしらのかたちで罪である
光は影へと変貌しつつあり
そしてそれを覆う帳を割り当てている
概して我々は理解している
意識しないことがどれだけその地位の人々を増大させるかを
冷徹な心に身を委ねている
我々も全くの孤独であることを気づけるやもしれない
高慢な夢のなかで
 
夜のそでにおいて
あたかも昼間が活動的であるかのように
そこでは無言が結束する
沈黙の合意へと
言葉を紡ぐことで君は奇妙に思うだろう
それらが炎を燃やすかのように心を奪われる
新しい変化の風を感じるんだ
夜のそでにおいて
 
これ以上目を背けてはならない
弱さと疲弊から
これ以上目を背けてはならない
内包する冷淡さから
我々すべてが分かち合わなければならないただひとつの世界
それは立ち上がって見つめるだけでは十分ではない
それは単なる夢でしかあり得ないのだろうか?
もう我々が目を背けないというのは
 
 
 

 
79年リリースのアルバム「The Wall」が大成功を収め、フロイドの中心メンバーであったロジャー・ウォーターズはやり尽くした感のためか次の駄作と言われる「Final Cut」のリリース後にフロイドの解散を宣言。
しかし、他のメンバーがこれに従わず、フロイド続行を主張。
Pink Floyd」という名義の持ち主について泥沼の法廷闘争へと突き進む羽目に。
 
結局、裁判で「Pink Floyd」の続行が認めれ、87年にウォーターズ抜きで新生フロイドとしてリリースされたのがアルバム「A Momentary Lapse of Reason(邦題:鬱)」です。
作詞の面はそれまでは完全にウォーターズによるものだったので、その面で苦労したといいます。
アルバムは全米/全英ともに最高3位までいってるのでセールス的には成功といえるでしょう。
まぁそれでも私としてはThe Wall以前のフロイドに比べてどの曲もやはりイマイチです。
 
が、新生フロイドのツアーライブを収めたアルバム「Delicate Sound of Thunder」(88年)を聴いた時にビックリする曲がありました。
それが「鬱」に収録されているこの「On The Turning Away」です。
スタジオ盤の同曲は特にいいとは思わないのですが、これのライブバージョンはウォーターズがいたフロイドの何れの曲をも凌駕するほど本当に素晴らしい。
もちろん聞き所は後半の半分を占めるデヴィッド・ギルモアのギターソロです。数あるギルモアのソロの中でも5本の指に入るほどの心地よい旋律です。
フロイドはスタジオ盤もいいでしょうが、やはりライブです。
スタジオ盤よりも劣化したアレンジでライブをするアーティストが多い中、フロイドの場合は明らかに原曲より進化します。ウォーターズがいないフロイドでも同じです。
 
ちなみにスタジオ盤「鬱」のアルバムジャケットはフロイドのアルバムでお馴染みのヒプノシスのストーム・ソーガソンが担当しており、海岸に700ものベッドが並べていますが、もちろんフォトショも当時ありませんし、何かしら画像工作をしてるわけではありません。
膨大な手間暇をかけて実際に並べて撮ったものです。
 
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歌詞の内容は先程翻訳するまで知らなかったのですが、ウォーターズ時代と同様に社会派、しかも左翼色丸出しの詞でなかなかいいんじゃないでしょうかw
ま、詞なんかはどうでもよくて、ギルモアのギターソロ、これがこの曲・・というより「ライブ版のこの曲」の全てです。
 
上のライブ映像よりもなんといってもやはり「Delicate Sound of Thunder」のバージョンが一番素晴らしい。ギルモアのソロが全く中だるみなく一番緊張感漂ってます。
 
 
ウォーターズが抜けたあとのフロイドについてはオリジナル・アルバムのみならず、ライブまで揶揄する偏屈なフロイド信者がいますが、ウォーターズがいようがいまいがフロイドのライブのクォリティは何ら揺るいでおらず、イメージ先行でマトモな判断能力のない連中の戯言であることをここで断言しておきましょう。
 

 
On The Turning Away 
 
 
On the turning away
From the pale and downtrodden
And the words they say
Which we won’t understand
"Don’t accepting that what’s happening
It's just a case of others’ suffering
Or you’ll find that you’re joining in
The turning away"
 
It’s a sin that somehow
Light is changing to shadow
And casting its shroud
Over all we have known
Unaware how the ranks have grown
Driven on by a heart of stone
We could find that we’re all alone
In the dream of the proud
 
On the wings of the night
As the daytime is stirring
Where the speechless unite
In a silent accord
Using words you will find are strange
Mesmerised as they light the flame
Feel the new wind of change
On the wings of the night
 
No more turning away
From the weak and the weary
No more turning away
From the coldness inside
Just a world that we all must share
It’s not enough just to stand and stare
Is it only a dream that there’ll be
No more turning away?
 
Songwriter(s): David Gilmour, Anthony Moore
 
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