ROCK CD & DVD BUYER'S GUIDE III

一応、風景写真がメインです

[歌詞・和訳]Journey - Faithfully (時への誓い)

 

時への誓い

 

ハイウェイは真夜中の太陽に向かって突き進む
留まることのないタイヤの回転音、それが頭の中にこびりつく
安息のない心を持つ者たちが今夜も孤独な眠りにつく
僕のすべての愛は電話線を通して送るのさ

過酷なロードでは家族を持つ余地はないと人は言う
それはずっと僕と君とについてきてまわる
そしてミュージシャンを愛するということは常にそのあるべき姿ではない
彼女よ、君は僕に寄り添ってくれる
僕は永遠に君とともにいる
固く誓うよ

大いなるトップワールドのもとでのサーカス団の生活さ
僕たちを笑顔にしてくれる道化師たちが常に必要なんだ
空間と時間を超えて、常にまた次のショーへ
自分のいる場所すら分からず、君を失うと本当の迷子になってしまう

そしてこの恋愛において別れることは容易いことでない
ふたりの見知らぬ者が再び恋におちることを学んだ
君を再発見できる喜びを知ってしまったのさ
彼女よ、君は僕に寄り添ってくれる
僕は永遠に君とともにいる
固く誓うよ

固く誓う
僕はこれまでだって君のもの
これからもずっと君のものだ
君とともにある
固く誓うよ

 


Journey - Faithfully (Official Video)

 

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83年リリースの曲ですが、当時そないに売れた印象もなく(Billboardで最高12位)、ジャーニーの代表曲といえば「Open Arms」や「Separate Ways」などがそれだと思ってたんですが、今やYouTubeの再生回数はこの曲がダントツ。時代とともに曲やアーティストの評価は変わるものです。

スティーヴ・ペリー(Vo)があまりに情熱的に歌い上げるので彼の個人的な思いを詩にのせた曲と勘違いされがちですが、この曲はジョナサン・ケイン(key)が単独でつくった曲です。

 

80年代に入ってすぐにジャーニーはアルバム「Escape」で全世界を制し、それまでより更に過酷なツアーを強いられることになったと思われますが、そのツアーをこなしながら家族を維持する困難さを歌ったものです。

アメリカ本土でのバス移動の最中、ケインが紙ナプキンに"highway run into the midnight sun"の一文を書き留めたのがその発端らしいんですが、残りの歌詞は次の日に30分で書き上げ、曲は夢の中で落ちてきたというんですから、ほんとに自然体で生み出された曲なんでしょう。

過酷なツアーのせいで滅多に会うことはできないが、偶に会うことでお互いのことを再発見もできる、永遠の愛を誓うよというケインの本心と思われる詞です。また「道化師(Clowns)」の下りがありますが、これは当時バンドを支えてくれてたツアーマネージャーとステージマネージャーを讃えたものです。

Wikiによると、「Purple Rain」をレコーディングした直後のプリンスが自分の曲が「Faifhtfully」のパクリなのでは??ということを懸念してケインに曲を聴いてもらい、「同じ4つのコードしかかぶってないから大丈夫」とケインがプリンスを安心させたという逸話があるとか。天才プリンスにしてそう思わせてしまうインパクトがこの曲にあったんでしょう。 

残念ながらこの曲には後日談があり、この曲がリリースされてまもなくケインと奥さんは離婚したそうです。

 

キーボード奏者が作曲した曲なのでピアノなどのキーボード演奏も印象的ですが、やはりラストのペリーの比類なきヴォーカルとそのバックに流れるニール・ショーン(g)の超絶な演奏には圧倒させられます。メンバーそれぞれが作曲でき、演奏・ヴォーカルも高度な技術ありと最も理想的なバンドです。

 

ジャーニーのことを語る際には80年代のこれらジャーニーやフォリナーなんかの人気アーティストを「産業ロック」と揶揄した団塊世代のボンクラ音楽評論家どもについてまたも触れないといけません。

ロッキング・オン社長の渋谷陽一氏(「産業ロック」という言葉の生みの親)とかの当時の論評はホンマこれらアーティストを「革新性がなく、大衆迎合・商業主義的、どれも凡庸なのになぜか人気がある」みたいな扱いで小馬鹿にしてたんですが、私から言わせればツェッペリンの楽曲ごときにどれだけ革新性や重みがあるんだって話です。本当にくだらない。そもそもロックの歌詞にそんな重みとか必要ないですし、商業主義のどこがいけないんですかね??ツェッペリンは商業主義的でなかったとでも言いたいんでしょうか。セックス・ピストルズに革新性はあったでしょうが、そのバンドはマルコム・マクラレンという男がブティックにたむろしてたチンピラを寄せ集めて作ったのがピストルズなわけで、これも「売れるために作られたバンド」ですわ。ジャーニーが売れたのは少なからずマネジメント力もあったのか知りませんが、ピストルズの商業性は認めてジャーニーはバカにするとかダブルスタンダードもいいとこでしょうよ。

私は「これまで史上一番音楽業界で層が厚かった」であろう80年代の音楽を一番支持する立場なのでこういう当時発信力のあったポンコツ評論家どもは(今はこの人達が80年代に対してどういう論評を持ってるのかは把握してませんが)本当に害でしかなかったという認識です。

まぁこんな輩の発言は影響することもなく当時日本でも売れましたし、今もCMなどでバンバン流れるのはツェッペリンなんかではなくジャーニーの楽曲ですわw

 

ただし、当時リアルタイムでジャーニーを聴いていた私もわかっていなかったことがありました。それは彼らのライブパフォーマンスです。スタジオ録音だからできる演奏なのかと思いきや、彼らはそれをライブでも忠実に、特にペリーはキーも落とさずに歌い上げることを知ったのは80年代から数十年経ってからのこと。彼らのライブの凄さを知らなかったのは痛恨の極みです。下記は「時への誓い」の東京でのライブです。えげつないです。

こんなパフォーマンスができるバンドを「産業ロック」の一言で片付けることが如何に愚かで嘆かわしい話かということです。

 


Journey - Faithfully (Live In Tokyo 1983) HQ

 

Faithfully

 

Highway run into the midnight sun
Wheels go round and round, you're on my mind
Restless hearts sleep alone tonight
Sending all my love along the wire

They say that the road ain't no place to start a family
Right down the line it's been you and me
And lovin' a music man ain't always what it's supposed to be
Oh, girl, you stand by me
I'm forever yours
Faithfully

Circus life under the big top world
We all need the clowns to make us smile
Through space and time, always another show
Wondering where I am, lost without you

And being apart ain't easy on this love affair
Two strangers learn to fall in love again
I get the joy of rediscovering you
Oh, girl, you stand by me
I'm forever yours
Faithfully

Faithfully
I'm still yours
I'm forever yours
Ever yours
Faithfully

 

Songwriter(s): Jonathan Cain

 

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